若い頃は、デザインとは注目を集めることだと思っていました。いや、今でもその考えが完全になくなったわけではありません。
派手な演出をしたり、インパクトのある写真やアイテムを使ったりすること。それがデザインの価値だと考えていました。
また、デザイン制作にはお金をいただく以上、それに見合った「何か特別なもの」を求められているとも思っていました。

整理する方が難しいと気づいた
最近は、誰でも手軽にデザインができる時代になりました。
Instagramなどを見ていると、「うまいなぁ」と感心する投稿によく出会います。
では、何がうまいのか。
よく見てみると、強弱があったり、リズム感があったり、美術やデザインの基本に忠実だったりします。
情報をただ並べるのではなく、優先順位をつけている。
何を一番伝えたいのかが整理されている。
そのことに気づいてから、私自身もデザインをするときは、お客様からいただいた情報をそのまま並べるのではなく、「何を最も伝えるべきか」を意識するようになりました。

情報を削る勇気が必要
情報を発信する側は、できるだけ多くのことを知ってほしいと思います。
商品の特徴も伝えたい。
会社の歴史も知ってほしい。
こだわりも理解してほしい。
その気持ちはよくわかります。
もちろん、熱心なファンであれば情報が多くても読んでくれるでしょう。
しかし、多くの場合、お客様はそこまで深くこちらを知っているわけではありません。
だからこそ、情報を整理する必要があります。
何が一番大切なのか。
どこから読んでもらうのか。
次に何を見てもらうのか。
自然と目が向く流れをつくり、興味を持った人が次の情報へ進めるようにする。
そのためには、せっかく集めた情報を削る勇気も必要です。

美研が考えるデザイン
デザインとは、飾ることではなく整理すること。
もちろん目立つことも大切ですが、それ以上に大切なのは「伝わること」だと思っています。
情報があふれる時代だからこそ、何を残し、何を削るのか。
その判断こそが、デザインの大切な役割ではないでしょうか。